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自給自足農園「ゆめぞの」から(池田孝蔵)

恋するソルダムを味わう [家庭菜園]

投稿日時:2014/07/29(火) 11:05

 
恋するソルダムを味わう
 
 今年は珍しくソルダムが五つほど実をつけた。毎年数個の実をつけるのだが、ちゃんと受粉木と交配がなされないと、プラムみたいに小さく、本来のソルダムではなかった。しかし、今年は、ちゃんとしたものらしきものが、五つ確認できたのである。
 少し色づくとたちまち鳥に狙われてしまうので、今年は早めに不織布で覆って熟すのを待つことにした。7月も下旬となり、そろそろかと、様子を見に行ったところ、特に良さそうなものが3個なくなっているではないか。不織布はかかったまま、鳥がついばんだ形跡は何もないのに、完全になくなっている。落ちたのではと、木の下を探しても何もない。これは、布の隙間に腕を差し込まないと、採れないのは明らかで、人間に盗まれたかと一瞬疑ってはみた。しかし、考えてみれば、大きな木にたった五つしかなっていないものを、わざわざ木に登って盗み取るような、奇特な人間がこの世にいるはずはない。それに、3個だけ盗んで、あと2個を残すのも理解できない。
 そして、ふと近くのトウモロコシをみると、本日採り入れとしていたものが、根こそぎもぎ取られ、しかも、食い散らかした残骸が、そこここ散らばっているではないか。
 もし、人間であったら、まさか生で食い散らかす事はないはずだ。カラスの食害もよくある話であるが、もぎ取って食い散らかすのは、鳥ではできないはずである。また、食べかすの芯は数本しかなく、ほとんどは持ち去られてしまっている。
 スイカも大分被害があったが、これは鳥の仕業と割り切っていたが、トウモロコシの被害様相から推定すると、鳥ではない、知恵あるほ乳類の仕業としか考えられない。
 おそらく狸かハクビシンではないか思われる。
 不織布で覆ってガードしてもダメとあれば、もう、採り入れててしまうしかない。ほんとうは、8月上旬まで、じっくり木で熟すのを待ちたいところであるが、しかたがない。
 そして、とうとう恋するソルダムを味わいました。たった2個、そのうちの一つを本日食べました。初恋はレモン味だそうですが、酸味もなだ大分残っていましたが、真っ赤な果肉は弾力があり、甘く濃厚な味で十分満足できました。
 たった一つで物足りないと思われるかも知れないが、本当に旨い物は、一つでも十分だと考えています。もし、それがたくさんあれば、それが当たり前になってしまい、有り難みもなくなると思うからです。
 「弁慶の一本槍」というのをご存知だろうか。弁慶は生涯にただ一度しか女性と交わったことがないという。なぜならば、ただ一度の経験で、これは何回行っても同じことだと悟ったからだという。さすが偉人は違うものだと感心させられたものだ。
 この度のソルダムも「弁慶の一本槍」みたいなものと思えないこともない。
 負け惜しみだろうか。

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